2009年12月26日土曜日

今日は年内最終営業日です

Gallery Kozukaの年内の最終営業日は
本日12月26日 (土)となっております。

2010年は1月9日 (土)から、毎年恒例の睦月展で始まります。
Gallery Kozukaの全館を使用し、作家約70名の作品をご覧頂きます。
通常の個展で制作するものとは違った雰囲気の作品があったり、
睦月展だけでの特別サイズ、価格であったりと、
新年だけの楽しくて嬉しい試みもあります。
どうぞ皆様お誘い合わせの上、ご来廊ください。

詳細はGallery Kozukaのホームページをご参照ください。


本年もご愛顧の程、ありがとうございました。
引き続き、どうぞ宜しくお願い申し上げます。

皆様、楽しい年末年始をお過ごしくださいませ。

2009年12月19日土曜日

3人の陶芸家:Ringing in the New Year and New Art 展

今回は、今週月曜より開催されております、Ringing in the New Year and New Art 展の
陶磁器の作家さんたちをご紹介したいと思います。

このグループ展は、Space Grayでは現代美術、
Select Shop Yellow (Space Yellow)では陶磁器という構成になっております。

この陶磁器の展示が通常のGallery Kozukaではめずらしい雰囲気みたいで、
ちょっと驚かれる方もいらっしゃるようです。。。
というのも、GK二代目の独断と偏見で3人の陶芸家さんにご参加いただき、
愛らしい雰囲気満載となっているからです。

以下、順番にお名前等ご紹介させていただきます。(あいうえお順にて。)


お一人目は、「こうさく舎 くりくほ」さん。
金沢で楽しい手作りのモノを扱うお店「こうさく舎 くりくほ」を
ご夫婦で経営されております。
奥様は皇后陛下のお帽子を制作されている先生について修行をされた
コサージュと帽子の作家さん、
店主さんは陶磁器の器等を制作したり、
そして現代美術の作品で個展をされている作家さんです。
今回は店主さんだけでの参加でしたが、
奥様もGKでグループ展をしていただいたことがるんですよ。


ぽってりとしたお茶碗です。ふとさわりたくなる丸みです。
Simple is the best !の方には、
この控えめな愛らしさが使いやすいと思います。
他にも湯のみやひょうたん文の徳利など、
質感や見た目にも暖かみのある作品たちです。
お手に取ってみてくださいね。

くりくほさんのブログ、くりくほ的業務日誌もあります。
作品紹介や金沢について等、毎日チェックしたくなるとっても楽しいブログです。
是非ご覧ください。


お二人目は「小澤 順一(こざわ じゅんいち)」さん。
名古屋を拠点としてご活躍の陶芸作家さんです。
ネコやイヌ、ロボット等を題材に、見ても楽しい、
使ってもっと楽しい作品を制作されています。
小澤さんのお皿は色合いが独特で、カラフルです。
GK二代目の作る(そっけない?)料理をのせてもすごくおいしそうに見せてくれます。。。


とっても元気のいい色合いです。焼きそばもごちそうに見えます。
黄色はごはんをおいしくみせてくれる色だそうですね。
お皿、豆皿、茶碗、湯のみ等、いろいろ出品中です。
シンプルもいいけれど、あるだけで食卓が明るくなる器もいいでしょ?

小澤さんのブログKOSA日記では、
作品をたくさん見ることができます。
小澤さんの手作り料理がご自身のお皿に盛られている写真もあります。
それが本当においしそうなんです。。。


お三方目は、「すずきあきこ」さんです。
愛知県の出身で、制作・活動は京都を拠点として活躍されています。
名古屋では初展示となります。
主なモチーフがお相撲さん。。。そしてバレリーナ。
他に動物などもいるのですが、お相撲さんをメインにしている陶器って
今までみたことがありませんでした。。。
それがまた愛くるしいお顔なんです。


上の写真の徳利は、「力士、東山動物園に行く」という
タイトルが付けられています。
お相撲さんが東山動物園へ。。。そしてコアラ舎で
コアラと戯れています。シュールだけどほほえましいです。
他にも、お相撲さんがフタを支えている酒器(現物をみてみてください)や
レンゲ、豆皿等を置いています。使うのもいいけど、飾りたくなります。
名古屋近辺ではなかなか見れないですよ。


さぁ、3人の陶芸家さんをご紹介しておりますが、
いかがでしょうか?
お皿などの大きさも揃っているので、ご家族でも使いやすいです。
GK二代目も愛用の器、あなたも是非使って楽しんでいただきたいです。
プレゼントのラッピングも承りますよ!

Ringing in the New Year and New Art 展は
Gallery KozukaのSelect Shop Yellowにて
12月14日 (月)から26日 (土)まで開催しております!!

加藤謙司(かとうけんじ) 個展

12月14日 (月)から26日 (土)まで、Space Whiteにて
加藤謙司展を開催しております。


加藤謙司氏は三重県四日市市出身で、
愛知教育大学大学院を修了しています。
その後、東海地区や東京でのグループ展へ精力的に参加、
賞も多数受けられています。
2001年から当ギャラリーにて二年に一度のペースで
個展を開催しています。

初期より樟 (くすのき)を使用した彫刻作品を制作しており、
主にインスタレーション形式で展示しています。


2003年 Gallery Kozukaでの個展風景

今年の夏に友人が佐世保の方へ皆既日食を見物に行きました。
その折に片島というところへも寄ったそうで、写真をブログで見せてくれました。
海と島が写っていて「良さそうなところだなー」と思っていたら、
その中の一枚の写真に「片島魚雷発射試験場跡」という看板が一緒に載っていました。
つまりは人間魚雷を発射するために操縦の練習をしていたところ、ですよね?
夏には戦争特集や映画がテレビで放送されていて、そのなかで
人間魚雷となった兵士たちのドラマがありました。
それを見て奥深い衝撃を感じていた矢先にその試験場跡の写真を見ました。
どちらに関しても現実感が増して、言いようのない気持ちになりました。


"沈黙するかたち "、2009年(現在展示)

今回の加藤謙司氏の作品を見ると、なにかの乗り物の操縦席が見て取れます。
メーターの位置や数からすると車ではなく、飛行機かなと思わせます。
それにしてはコクピットが小さすぎるかな。。。などと考えていると、
だんだんと人間魚雷の操縦席のイメージが重なっていきました。
丁度一人だけが座ることができ、操縦に関するものはぐるりと体の周りにあって。。。
そして作品自体が白で塗られています。
清廉潔白を表す白色は死装束やその意も込められているという
白無垢に使われています。
白で塗られた乗り物をイメージさせるその作品は、
誇りと希望をもって突撃した人間魚雷の生まれ変わった威厳ある姿に見えます。


部分 - "沈黙するかたち "、樟に着色、50x120x50 (cm)、2009年

作品をみるということは、作り手とは違う見る側の個人の感情や経験によって
理解することです。作品をちらっと見たときの「好き、嫌い」という判断も
見る人それぞれのバックグラウンドによる最初の価値判断です。
ですので、美術作品を見るときは、まったく自由に感じれば良いのです。
それがたとえば作家の意図と異なっていても、
そのような見方もあるということなので、作品の幅が広がったととれるわけです。
周りがなんと言っていても、自分自身で作品と心の対話をすることが重要だと思います。

美術館へ行くことも楽しいですが、
画廊にて、同時代を生きている作家たちの作品を見ることも
誰にも価値判断を強制されない自由があって
より楽しめると思います。
是非、お一人で、そして皆さんでお出かけください。

年内のGallery Kozukaの営業は、今週の土曜日、26日までとなります。
翌日27日から2010年1月8日 (金)まで冬休みをいただきます。
宜しくお願い申し上げます。

2009年12月13日日曜日

Ringing in the New Year and New Art 展

もうすぐクリスマス、年末忘年会、お正月、新年会。。。
と、楽しさめじろおしのシーズンがやってまいりました!!
(あえて師走発言はやめておきますよ。。。)

そんな心躍る季節にぴったりな楽しいグループ展を開催いたします。
Gallery KozukaのSpace Grayでは、
当ギャラリーで初展示となります作家も参加して
新作を含めた展示をしております。

そしてSelect Shop Yellow (Space Yellow)では、
これまた当ギャラリーでは初お目見えとなります陶芸作家3人で
見ても使っても楽しい、そして愛らしいお皿等の展示販売をいたします。
(おすもうさんが東山動物園へ行くという題材の徳利。。。
みたことないですよね?!)

なんだか幸せオーラがキラキラ光る宝箱に入っているかのようです。
(いやいや、言い過ぎかと思ったけど、目出たい雰囲気が全体にしたので
本当にそう感じたんです。。。)

是非、ご高覧ください!!

2009年11月18日水曜日

高木英雄(たかぎ ひでお) 個展

11月16日 (月)から 28日 (土)まで、Gallery Kozukaの全館を使用しまして
高木英雄の大個展を開催しております。


高木英雄氏は当ギャラリーでは「紙の庭師」として知られています。

名古屋市出身で、愛知県立芸術大学大学院 油絵科を修了しています。
実家が庭師ということもあり、以前は本当に庭師として働いていました。
自然が大好きで、植物については実地に基づいての広い知識もあります。
たとえば葉を葉として形作っているもの、風による水面の動きとその波の形、
そんな細かなことを自分の目で見て、そして繊細に理解しています。
その鋭い洞察力によって自然の生きている様を作品で表現しています。

合板、墨、450x400x(h)220(cm)、1994年
撮影者:長谷川治憲



きりの木、150x150x(h)50(cm)、1998年
撮影者:長谷川治憲


近年では、紙を使用して作品を制作しています。
有機的な部分を強く表すためには、
メリハリがつき、さらに柔らかな表情をだす必要があります。
種類に寄るのですが、紙ですと折り方、重ね方、色次第で
とても自由に、思うように表現ができる、と高木氏は言います。
また以前から、同じ形が連続して形成している
細胞や遺伝子に大変興味があったそうです。
顕微鏡で見るミクロな世界は、この世界全体を生かしている存在の集まりです。



色紙、400x400x60(cm)、2006年


そよ風によって湖畔に打ち寄せる波と、水面を動く落ち葉。。。

色紙、2009年


これまでの代表的な作品をご覧頂くことができます。

今、ギャラリーの中は(入り口から!)森の中、
もしくは顕微鏡を覗いた先の世界。。。のようになっています。
どうぞ冒険にお越し下さいませ。

2009年11月10日火曜日

一右衛門(わんえもん) 個展

11月2日 (月)から14日 (土)まで、Space Grayにて一右衛門(わんえもん)展を開催しております。


一右衛門氏は愛知県犬山市出身の作家で、名古屋芸術大学 洋画専攻を卒業しています。
当ギャラリーにて15年近く毎年個展を開催しています。

テーマは必ず ”バレーボール” です。
他のどんなスポーツが世の中で流行っていようと、
それとは関係なく、バレーボールにまつわる題材を描き続けています。


”届けぇー” 布、墨、朱墨、90.1x30.1x3.2 (cm)、2005年


選手、靴、ユニフォーム等、バレーボール愛好心が深くなければ
見逃してしまうようなディテールまで描かれています。
例えばバレーボールをよく知らなくても
それが感じ取れてしまう作品です。


”最後のユニフォーム” 1996年 撮影者/長谷川治憲


”toss” 布、墨汁、59x42 (cm)、2004年

見る人が見るとわかるようで、「これはOO年のオリンピックのスタメンだね」等
コアファンなご意見をお聞きすることもあります。。。

躍動感があり、バレーボールのゲームを観覧している、もしくは
そのコートのなかにいるような気分になります。

これまでの代表的な作品をご覧頂くことができます。

バレーボールファン、集まれ!!
是非ご高覧ください!

2009年11月1日日曜日

笹子恭男(ささご やすお)、笹子恵(ささご めぐみ) 個展

11月2日 (月)から7日 (土)までSpace Whiteにて、笹子恭男の個展を開催いたします。
そして、翌週の11月9日 (月)から 14日 (土)まで同スペースにて、笹子恵の個展を開催いたします。

お二人はとても仲の良い作家ご夫婦です。
恭男さんは千葉県出身、愛知県立芸術大学大学院油画科を修了し、
恵さんは高知県出身で、同じく愛知県立芸術大学大学院油画科を修了しています。
10年以上、ほぼ毎年一週間ずつ当ギャラリーにて個展を開催しています。
ご夫婦二人展、グループ展でも活躍されています。

恭男さんの作品は色が濃くそして強く、恵さんは淡く、柔らかです。


<笹子恭男> キャンバスにアクリル絵の具、100x100x2.5 (cm)、2004年


<笹子恵> キャンバスに油彩、53x53 (cm)、2007年


大学在学中に具象画と抽象画の境について追求しようとした時期があり、
どちらも結局は色の面の集まりでしかないわけで、
ならばそのような枠組みは作家にとっては必要がないのではないだろうか
という考えに至りました。

在学中の間は裸婦や静物を描いていたそうですが、
「具象画を形作る色面の集まりでできた物の輪郭とは何であるか」を
考えるようになりました。その後は考えがまとまるまで
10年余り制作を中断していました。
そして具象画も抽象画も究極的には同じではないか
という答えが一つわかったのでまた個展を始めることができたそうです。

今ではご夫婦で色と形を日々追求しています。


<笹子恭男> キャンバスにアクリル絵の具、100x100x2.5 (cm)、2005年


<笹子恵> キャンバスに油彩、53x53 (cm)、2006年

これまでの代表作をご覧頂くことができます。

どちらの作品もお部屋にあると、心が落ち着き、
部屋の中も明るくなります。
どうぞご高覧ください!

2009年10月24日土曜日

ヴィヴ オルブライト(Viv Allbright) 個展

10月19日から31日まで、Space Whiteにてヴィヴ オルブライト展を開催しております。

オルブライトさんはイギリス出身の作家で、主に現地で活躍されています。
二年前に、ご主人のフィリップ ブース氏が名古屋芸術大学で教授をされるということで
一緒に来日されました。春、夏、冬の大きな休みには本国で過ごし、
また日本に戻るという生活なので、イギリスと日本(主に名古屋)の両国の長所を
比較することができます。その経験を作品に取り入れています。


”Paths' for landscape & Bodymap” 和紙にアクリル絵の具、黒鉛、43x30 (cm)、2009年

オルブライトさんがイギリスで住んでいるところは海が近く、
空も海の色もとてもきれいなのだそうです。
青色の濃い色から薄い色へのレイヤーがはっきりわかるほどだそうです。
日本は山がとても美しく、特に夏の植物の緑色が輝いて見え、
そして田んぼの稲穂が実っている姿は黄金色に見えるので
日本らしさの美が感じられるのだそうです。
だからこそ、今実感していることを、今しか表現できないことを
作品として表しています。


”Red Landscape walk” 和紙にアクリル絵の具、55.5x33 (cm)、2009年

この作品 ”Red Landscape walk” は、日本の山の嶺の連なりと
イギリスの郊外の風景を組み合わせて描いています。

ちなみに、2008年、09年に制作の数点には和紙を使用しています。
これは、和紙が見た目よりも丈夫で強いことから
日本女性の外見の儚さと内面の強さを意味しています。
和紙以外ではイギリス本国で購入した紙となっています。

筆者が2001年にロンドンとアムステルダムを旅行した折、
ゴッホ美術館で見たゴッホの作品の色彩が
初めて実感としてわかったような気がしました。
光の色は場所が変わるとやはり違って見えています。
オルブライトさんが使う青や緑色は淡いけれど鮮明に感じられます。
白も眩しく、日本で見ている色とは違うように思います。


”Redline Lampwalk” 和紙にアクリル絵の具、26x24.5 (cm)、2009年

全ての作品は繋がり合っています。
日本とイギリスの山々、森、海、そして宗教、人そのものを比較し、
表現しています。
抽象画という枠に入れてしまうのではなく、
混ざり合っているものの一つ一つを抜き出して捉えることで
彼女の人生を通して生まれる作品を感じることができると思います。

是非実際に感じてみてください。

2009年10月12日月曜日

森国枝(もり くにえ) 個展

10月5日から17日まで、Space Whiteにて森国枝展を開催いたします。

今回のテーマは「BLUEROSE BEAM トスカーナの恋」です。


"BLUEROSE BEAM トスカーナの恋" 
ミクストメディア、60.7x72.7x3 (cm)、2009

トスカーナの空を思わせる鮮やかなブルーの画面に
不可能といわれる青いバラたちが咲き乱れています。
作家を思わせる赤いバラも共に咲き誇っています。

スカイブルーと聞くと、色としては少し派手かなと思われるかもしれませんが
直に作品をみてみると、派手ではなく華やかで、部屋のなかや空気が
明るくなる気がします。また、描かれている花やレースの繊細さが感じられると
ますます作品の魅力に引かれていきます。

森国枝さんの作家人生のテーマであり、
全作品のタイトルになっている "BLUEROSE BEAM"は
青いバラ、不可能を可能にする「希望」という意味を込めています。

もうすぐ青いバラが開発され市場にでてくるようですが、
「希望」は実現できると思わせてくれますね。

森国枝さんご自身のブログもありますので、
作品にご興味のおありの方は是非ご覧ください。

2009年9月25日金曜日

田中恒光(たなか つねみつ) 個展

9月21日(月)より10月3日(土)まで
田中恒光の個展をSpace Grayにて好評開催中です!


田中氏は1978年愛知県生まれで、
名古屋芸術大学大学院の同時代表現コース出身です。
学部1年生の頃から通って来てくれていました。
いろいろな作家たちから洗礼(?)を受けつつ
2000年から始めた個展も本展で7回目となります。

彼は山男です。
富士山へは年に3回程登ります。
他の山々へは数知れず。。。。。

霊峰と呼ばれ、それを一般的に認識されている山があるように、
一般的ではないけれど、古来から信仰の対象となり
聖域とされる山は、日本中の個々の土着文化と共に
数多く存在します。

田中氏の描く画面は、それぞれが山の一部です。
彼が心地よいと感じる、山の中のある領域です。
景色という概観にではなく、目にするものの形や色に和み、
励まされ、考えさせられることが
ある場所から場所までの間の
その領域だけで起こるのだそうです。


”漂” パネル、紙、アクリル絵の具、50x50 (cm)、2002年

心地よいと感じる形や色は人によって違うわけですが、
田中恒光氏が皆様に伝えたい”山のとある領域”には
そこにあるものが何であるかというよりも、
視覚でとらえるシンプルな情報を純粋に受け止めた上で
彼自身が吟味して、心底いいなぁと思える要素が盛り込まれています。
それらを抜き取って、家のどの部屋にいても山を感じることができるように、
そのまま画面に移したものが作品となっています。


パネル、アクリル絵の具、51.5x72.9 (cm)、2008年

ひとつひとつの作品から
種類の違った鳥たちのさえずりが聞こえてきそうです。


これまでの代表的な作品をご覧頂くことができます。

本展は今週土曜日までとなります。
是非ご高覧ください!


2009年9月21日月曜日

MATHEW NEO(マシュー ネオ) 個展

MATHEW NEOによる個展を、Space Whiteにて
本日9月21日 (月)から26日 (土)まで開催いたします。
またSpace Grayでは、10月3日 (土)までの二週間
田中恒光展を同時開催しております。


MATHEW NEO氏は東京在住の作家で、日本人です。
略歴等の詳細は非公開となっています。
毎回案内状も作らないので、当ギャラリーでも知る人ぞ知るです。

彼は出会いを大事にしたいと言っています。
案内を出して来ていただくというよりも、
運命が導いてふらりと展覧会に来ていただいた方に
ゆっくりみていただきたいとのことです。
ご縁は大切ですからね。

NEO氏の持論によると、
考え方というのは日々新しくなり変化するものであるから
一つの作品を完成したらそのままにしておくのではなく、
作りかえる、あるいは上から描き足すこともいけないことではないのです。
むしろそれは、その作品が進化したと考えるべきなのです。



今回展示している作品はすべて新作です。
と、いうよりは、すべて進化した作品です。
上の写真の向かって左と右側の作品は、1995年に制作した作品に
新しく制作した作品を重ねています。

美術作品に対してなにが常識で、なにが正しいというものもありません。
考え方はいろいろあり、おもしろい発想は自由というなかから生まれるものです。

そうでなければおもしろくありませんよね。。。

2009年9月15日火曜日

エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ウルトラ002」

今年もやってまいりました、日本の先鋭現代美術ディレクターによる 秋の芸術まつり!
ULTRA!!!

今回は第一回であった昨年の2倍、50人のディレクターによって 
画廊単位ではなくディレクターの個人単位で出店し、
それぞれが推薦する作品を展示販売いたします。 
Gallery Kozukaの二代目・小塚真里繪は
1Fに出店しております!(昨年と同じ場所におります。) 
皆様お誘い合わせの上、どうぞご高覧くださいませ。

以下、アートフェアの詳細となります。
Gallery Kozukaからの出品作家等は、また後日お知らせさせていただきます。
お楽しみに!!

エマージング・ディレクターズ・アートフェア「ウルトラ002」 
 会期:2009年10月29日 (木)ー11月3日 (火・祝) 
 時間:11:00 - 20:00 
 会場:スパイラルガーデン(スパイラル1F)/スパイラルホール(スパイラル3F) 
   東京都港区南青山 5-6-23 
※電車案内:東京メトロ 銀座線、千代田線、半蔵門線 
     「表参道」駅 B1出口すぐ 
 入場料:スパイラル1F/無料、スパイラル3F/カタログ付き1000 円 

 オフィシャルスポンサー:art_icle 
 主催:ウルトラ実行委員会(現場商會+株式会社ワコールアートセンター) 

■ Web Site:
ウルトラ http://gemba-firm.com
スパイラル http://www.spiral.co.jp

2009年9月12日土曜日

小谷浩士(こたに ひろし) 個展

小谷浩士の大個展を今週19日(土)まで好評開催中です!


小谷氏がGallery Kozukaで展覧会を始めて
30年近くなります。
初期から完成度の高さには定評があります。

平面作品をもって、人が関わる空間を表現することに努めてきました。
空間とは、たとえば現在、過去、未来の時間が内在する空間、
意識と無意識が行き交う空間、
そして現実、非現実を体感する此処にある空間を指しています。

今回の個展では、上記のことに加えて
「楽しい記憶」が盛り込まれています。
単一的な色の画面のなかに、何かの輪郭や断片が見て取れます。
それをみると、子供の頃のなにか懐かしいことが思い出され、
少し切なくなるけれど自然と笑顔になる、
そんな楽しい気分にしれくれます。

また本展では、今までとは違ったことに挑戦しました。
まず、全ての作品がアクリル絵の具で描かれています。
そして個々にタイトルが付けられています。

はじめに、制作技法について。
作品は見た目やコンセプトで判断されることが多いですが、
制作技法を知ると内容がよりわかりやすくなったり、
作品ができあがる過程を想像することができて身近に感じられます。
美術作品をみる楽しさがより広がると思います。

今回の作品は全作新作新シリーズとなっています。
アクリル絵の具を画面にベタに塗ることは
小谷氏の作家人生において初めての試みです。

”不遊具 I” キャンバス、アクリル絵の具、130.5x 97.2x2.5 (cm)、2009年

今までの制作技法は、主に木炭を指に付け、
その指で擦ることによって濃淡を表していました。

”無題” キャンバス、木炭、116.7x80.4 (cm)、2003年

同じように、パステルの粉を指に付け、
指の跡を残すように紙に押しあてながら描いていく技法もあります。

”漂域” 紙、パステル、114.5x213 (cm)、1997年
撮影者:長谷川治憲

他には、パステルを削った粉とアクリル絵の具のメディウムを混ぜ、
それを筆にのせて色とりどりの細かな点をキャンバスにうっていく方法もありました。

”領域” キャンバス、アクリル絵の具、パステル、41.2x32 (cm)、1997年
撮影者:長谷川治憲



新シリーズでは、筆を使ってアクリル絵の具を塗っています。
もちろん5回塗りをしないと
ここまでマットな表面にはなりません。
ちなみに、色と色の境界線、一筆書きのような線は
すべてフリーハンドで描いています。


”眠りを支える II” キャンバス、アクリル絵の具、91.2x91.2x2.5 (cm)、2009年


タイトルは全ての作品に付けられています。
漢字三文字のものが多く、
作家曰く、演歌のタイトルみたいだそうです。。。。
ちなみに、小谷氏が一番気に入っているタイトルは
”顔シリーズ”の「水平天使」です。
会場で探してみてくださいね。


”顔シリーズ:夜に浸る” キャンバス、アクリル絵の具、33.4x24.3x2 (cm)、2009年

この一筆書きにも今回の作品にとって必然的な意味があります。
作品の受け手である皆さんにいろいろなことを感じ、思い、考えていただくことで
作品が作品として存在する意義を見いだすことができます。
画廊へ展覧会をみに行くということは、作品や作家を身近に感じ、
自分のすきなものに出会い、それを所有することができる
特別な機会だと思います。
現代に生きている作家たちが今後の日本の芸術文化を作り上げています。
しかしそれを応援するということも重要で、
その文化を方向付け、形を整えていくのだと思います。

2009年9月5日土曜日

小谷浩士(こたに ひろし) 個展

小谷浩士による大個展を、9月7日 (月)から19日 (土)まで
Gallery Kozukaのスペース3つ (Space White、Gray、Yellow)を使用して開催いたします。


今回のブログは、小谷氏の個展のための前説です。

小谷浩士は大阪に生まれ、愛知県立芸術大学油絵科修士課程を修了しました。

その後、名古屋を拠点として着実に作家活動を行っています。

1982年より、当ギャラリーにて個展をほぼ毎年開催しています。



"DW94C-32" キャンバス、木炭、パステル、194x388 (cm)、1994年

「絵画の方向 '94」大阪府立現代美術センター、撮影者:菊山義浩


製作技法は初期よりパステルや木炭を使用し、

キャンパスを塗りつぶしていくかのように描いていきます。



"領域" キャンバス、アクリル絵の具、パステル、41.2x32 (cm)、1997年

撮影者:長谷川治憲


人は歩行しながら意識と無意識の間を漂っています。

意識では空想や記憶という非現実な世界を思考のなかで巡りながら、

無意識で現実世界を五感によって認識しています。

小谷は絵画のなかの虚構の世界をどのように歩くことができるのか、

絵を描く行為を通して考えています。



キャンバス、木炭、73x73x2 (cm)、2005年


来週から始まる個展では、全て新作新シリーズとなります。

今までの作品から発展しながら、しかしまったく新しい作品です。


小谷浩士の個展は、

Gallery Kozukaにて9月7日 (月)から19日 (土)まで開催いたします。

どうぞご期待ください!


初期からの代表的な作品を、小谷浩士オフィシャルホームページからご覧頂けます。

また、Gallery Kozukaのオンラインストアにもラインナップされております。

合わせてご覧くださいませ。

奥野穂(おくの みのる) 個展 

奥野穂、井上雅夫の両個展も今日が最終日(9月5日)となりました。


今回も引き続き、奥野穂氏の作品についてご紹介したいと思います。

奥野氏が作品のなかに必ず林檎を描くことは前回触れましたが、
林檎の色についても重要なことがあります。
今までの作品には赤色の林檎が描かれてきました。
しかし今回の個展では、林檎がすべて青林檎なのです!


"AORINGO 5" アクリル絵の具、綿キャンバス、39x55x3.5(cm)、2009年


奥野氏が中学生のときすでに
林檎を現実と非現実の境界にあるものとして
作品のなかへ描くというコンセプトは完成していたそうです。
当時その第一号として制作した作品に描かれた林檎が青林檎でした。

奥野氏は今年で50歳になります。
この歳になったらまた新しく人生を楽しもうと決めていました。
作家としても新たな展開に挑戦していくため、
一番最初に制作した青林檎を今回の個展で取り入れました。

制作技法も替わりました。
初期より、自身で撮った写真をPCに取り込み、
その加工したものをキャンバスに転写し
上からアクリル絵の具で描いていました。
ただ色をつけるのではなく、
その風景や人物の色を表現するために必要な色を
描く前にすべてパレットに作ります。
それを途中で混ぜ合わせることなく、的確にキャンバスに乗せていきます。
この行為によって、奥野氏はものの色を確かめ、
同時に写真と絵画の境界を探すのだそうです。

そして今回の新シリーズから、写真の転写をなくしました。
それは来年の個展に繋がって行きます。
制作はすでに始まっています。
100号、150号の大きな作品を制作中です。
一枚の作品に登場する林檎の数は
過去最多の200個近くになるそうです。。。

新しい作家人生を始めるにあたり、
奥野氏は10kg以上体重を落としました。
理由は、作品制作により力を入れ、
負担なく指先の細かな作業をするためです。
まさに決意の体現ですよね。

今回の奥野穂の個展についてはこちらよりご覧いただけます。

ご質問、お問い合わせ等は、
Gallery Kozukaのホームページの左のリストにある
”お問い合わせフォーム”よりお願い致します。


作品一つ、個展一つにドラマがあります。
作品の内容だけでなく、作家や制作過程等についても
このブログでご紹介できればと思っています。

2009年8月26日水曜日

奥野穂(おくの みのる) 個展

8月24日 (月)から9月5日 (土)まで、奥野穂、井上雅夫の個展を同時開催しております!!


奥野穂氏は、三重県に生まれ、多摩美術大学の油画科を卒業しています。
大学在学中より東京にて個展を始め、
当ギャラリーでは1986年よりほぼ毎年個展を開催しております。
また、グループ展への参加も積極的に行っており、
1978, 79, 80年とシェル美術賞展に参加、
2003年にははるひ美術館にて開催される「はるひ絵画ビエンナーレ」において
優秀賞を受賞しております。

当ギャラリーでは、奥野氏といえば「林檎の作家」で通っています。
林檎が好物というわけでもなく、林檎農家出身でもありません。。。
1976年に林檎をモチーフにした作品を制作しました。
その後は他のモチーフで制作を続け、1997年にまた林檎を描き始めました。
それからは、作品画面に必ず林檎を描いています。


”BIWAKO” 帆布、木製パネル、アクリル絵の具、インクジェット、
90x129 (cm)、2002年

作品をご覧いただくとわかりますが、林檎だけを描いているのではありません。
林檎の背景は、どこかの風景や自画像が主です。
では、林檎と画面に描かれるものとの関係はどこにあるのでしょうか。
林檎は、描き手である自身と作品との間にある
現実と非現実との境界を表そうとしたものです。
互いに関係がないのではなく、そこは曖昧なのだと奥野氏は言います。


”YABU NO NAKA” 綿キャンパス、木製パネル、アクリル絵の具、インクジェット、175.3x235.5x4 (cm)、2006年

林檎は1つとは限りません。。。


みかんや柿ではダメで、自身の作品にリアリティを与えるものは
”林檎”だけだそうです。


来週は製作技法について書く予定です。

昨年の個展の様子はこちらからご覧頂くことができます。
2000年からの個展の様子も、昨年のホームページから辿ることができます。


奥野穂の個展は来週9月5日 (土)まで開催中です。
是非ご高覧ください!!

2009年8月24日月曜日

井上雅夫(いのうえ まさお) 個展

本日より9月5日(土)まで、井上雅夫、奥野穂の個展を同時開催しております!

井上雅夫氏の個展は二年振りとなります。
その間、試行錯誤し、いくつものエスキースを描いて作成してきた
集大成がここにあります。
もちろん全新作となっております。

井上氏は、愛知県一宮市に生まれ、愛知教育大学美術科を卒業しています。
東海地区を中心に、関西などでも美術館、ギャラリーにて活動をしております。
Gallery Kozukaでは、1988年よりほぼ2年に一度のペースで
個展を開催しております。

初期より、キャンバスにアクリル絵の具を使用して描いています。

作品画面をみてみると、まず手前から奥へと遠近感が感じられます。
様々な四角形の組み合わせで、床、壁、天井が表されているようです。


”終わりの季節” アクリル、色鉛筆、キャンバス、131x90 (cm)、1997年


どこかに存在していそうな空間と、
井上氏のまったく自由に空想された空間とを
混在させています。
「部屋の中から外をみた風景なのね」では割り切れない、
自分が内と外のどちらに立っているのかわからなくなる錯覚を起こします。
天井かなと思っているところが、もしかしたら空かもしれないと
いろいろなことを考えさせてくれます。



”晴れた日曜日” アクリル、色鉛筆、キャンバス、100x65 (cm)、1996年


本展覧会の作品は、
空を描きたかったとのことです。
目にも眩しいブルースカイではなく、
何気なく見ている日常のなかの心落ち着く空を描いています。

また、井上氏は灰色を好んで、自身の基本の色としています。
灰色と他の色とのバランスで作品の雰囲気を決めます。
今回は特に灰色と暖色のバランスによって、
作品をみたらなにかホッとする安らかな表情を出すことに努めました。

空をテーマに、色合いも落ち着いているので
お部屋に飾ると、そこが自分だけの癒しスポットになると思いますよ。

是非、当ギャラリーにて本物の作品をご覧ください。

初期より2007年度個展までの代表的な作品をご覧頂けます。

名古屋も秋風が吹くようになりました。
肌寒いくらいです。
今年は現代美術で芸術の秋を堪能されてはいかがでしょうか?

2009年7月30日木曜日

中野克俊(なかの かつとし) 個展

今週月曜日から、中野克俊、いとうただしの個展を同時開催中!!
中野克俊氏は、当画廊では言わずと知れた。。。。
かわいいけれどきもちわるい、もしくは
きもちわるいけれどかわいらしい作品を
作っている作家です。
皆さんの中には以下の作品をご覧になった方も少なくないと思います。
う◯ちに就いて就て 粘土、布、アクリル、ポリエステル樹脂、13x13x12(cm)、2008年
そうです。ピンクのう◯ちです。
一度見たら忘れられないです。。。
この作品を作った作家が、中野氏です。
ご要望が多い作品で、2度発表しましたが完売しております。
2度目の時には、花瓶として使用できるものもあり、
まるでう◯ちから野花が咲いているかのようでリアルでした。
ただ、正面から見た場合には気にならなかったのですが、
真上から見た場合にう◯ちには巻く方向がある
ということに気づきました。
通常のものは左巻きなのか右巻きなのか。。。
というより、
はたして人的制作がいろんな意味で可能かどうか。。。
物理学的現象でいうところの、
台風や竜巻が南半球、北半球で回転方向が違うことと同じように
う◯ちの巻き具合も違うのか。はたまた排水溝の渦のように
最初に力の加える方向によって右回転か左回転が決まるのか。
結局は。。。。。
作品をお持ちの方は、どちらの方向に巻いているのか
確かめてみてくださいね。

初期より2008年度個展までの代表的なキモカワ作品がご覧に慣れます。
今回の個展は今までと少し雰囲気が違います。
8月8日(土)まで、まだまだ開催中です!
是非、ご高覧ください!!

2009年7月28日火曜日

いとうただし 個展

今年もやってまいりました、
いとうただし&中野克俊の 個展同時開催ウィークス!  

いとう氏は20年来、映像インスタレーションの作品を発表しています。 
初期より、根本にあるテーマは「人間」です。 
映像には毎回いとう氏自身が登場します。 
最近は本人が自転車狂ということもあり、自転車を用いた作品も多いです。


ミクスト メディア、2007年


ミクスト メディア、2008年


人間には感情を表す表情があります。 
喜怒哀楽も細かな顔の動きで表すことができます。 
それが偽りか正直なのかはわかりませんが、 
客観的にみれば、楽しそうであったり、滑稽であったり、 
こんなに真剣で、こんなにふざけている。。。 
ということがわかります。  

今回のインスタレーションでは、 
1つの音楽と3つの映像を同時に流しています。 
音楽名をネタバレしてしまうと、「LA BAMBA」です。。。 
いとう氏が「BIRDY (バーディ)」(監督:アラン・パーカー)という映画が大好きで、 
その劇中歌として使われている曲だそうです。
純真な青年の "鳥になる" という夢を軸に、戦争や友人との交流を通して、
人間とはなにか考えさせられる社会派映画です。  
いとう氏は、会期中ほぼ毎日、終日在廊予定です! 
お話ししてみてくださいね。  

いとうただしオフィシャルサイトも是非ご覧ください。  

いとうただし展は8月8日(土)まで開催中です。
皆様のお越しをお待ち申し上げます。



Gallery's Artists 展

本日より25日(土)まで、 
Gallery Kozukaを代表する作家を中心とした
グループ展を開催しております。
 
今回は旧作、新作とさまざまな作品をご覧頂くことができます。 
年に何度かこのような機会をもうけて展示しております。 

美術作品は新作が旧作よりもいいとは一概に言えません。 
新作がいいのか、旧作がいいのかは、 
受け手である皆さんの一人一人が判断することです。 
「いい」というのも難しいところがあります。 
なにが「いい」のかは個人によって違います。 
色、モチーフ、コンセプト、サイズだけではなく、 
その時の自分の感情や置かれている状況、住んでいる場所など、 
作品をどのように判断するかは本当に個人によって、その時々で異なります。  

だからこそ、新作個展だけではなく、 
年に数回はGallery's Artists展のような機会が必要となります。 
また、一度に複数の作家のさまざまな作品をみることも、 
こういう時ではないとできないことです。  


中野克俊、粘土、布、アクリル、ポリエステル樹脂、27x27x6(cm)、2008年  

この中野克俊氏の頭に虫のわいている作品は、
もう一つ女の子バージョンがありました。 
そちらとこちらの男の子バージョン。
どちらが「いい」というわけではありません。 
ただ、唯一人との出会いを待つのみです。



松井憲作、和紙に墨、紙サイズ:38x54(cm)、2003年
※木の額に入れて展示しています 額サイズ:48x63.5(cm)

松井憲作氏の作品は、 モチーフを描いているようにみえますが、
実はその周りの空気感を表現する作品です。 
この作品は、紙の左縁の下方あたりから反対側の縁の上方へ斜めに切れ線を付け、 
その線を境に、椿の花の付け根から下は色をつけて、上は白黒で描かれています。 
2003年の個展時以来、初お目見えになる作品です。 
他に和紙だけではなく、キャンバスの作品もあります。 
和室、洋室問わず、日本の粋やワビサビが表れる作品ではないでしょうか。 

作品たちは出会いを待っています。