2009年10月24日土曜日

ヴィヴ オルブライト(Viv Allbright) 個展

10月19日から31日まで、Space Whiteにてヴィヴ オルブライト展を開催しております。

オルブライトさんはイギリス出身の作家で、主に現地で活躍されています。
二年前に、ご主人のフィリップ ブース氏が名古屋芸術大学で教授をされるということで
一緒に来日されました。春、夏、冬の大きな休みには本国で過ごし、
また日本に戻るという生活なので、イギリスと日本(主に名古屋)の両国の長所を
比較することができます。その経験を作品に取り入れています。


”Paths' for landscape & Bodymap” 和紙にアクリル絵の具、黒鉛、43x30 (cm)、2009年

オルブライトさんがイギリスで住んでいるところは海が近く、
空も海の色もとてもきれいなのだそうです。
青色の濃い色から薄い色へのレイヤーがはっきりわかるほどだそうです。
日本は山がとても美しく、特に夏の植物の緑色が輝いて見え、
そして田んぼの稲穂が実っている姿は黄金色に見えるので
日本らしさの美が感じられるのだそうです。
だからこそ、今実感していることを、今しか表現できないことを
作品として表しています。


”Red Landscape walk” 和紙にアクリル絵の具、55.5x33 (cm)、2009年

この作品 ”Red Landscape walk” は、日本の山の嶺の連なりと
イギリスの郊外の風景を組み合わせて描いています。

ちなみに、2008年、09年に制作の数点には和紙を使用しています。
これは、和紙が見た目よりも丈夫で強いことから
日本女性の外見の儚さと内面の強さを意味しています。
和紙以外ではイギリス本国で購入した紙となっています。

筆者が2001年にロンドンとアムステルダムを旅行した折、
ゴッホ美術館で見たゴッホの作品の色彩が
初めて実感としてわかったような気がしました。
光の色は場所が変わるとやはり違って見えています。
オルブライトさんが使う青や緑色は淡いけれど鮮明に感じられます。
白も眩しく、日本で見ている色とは違うように思います。


”Redline Lampwalk” 和紙にアクリル絵の具、26x24.5 (cm)、2009年

全ての作品は繋がり合っています。
日本とイギリスの山々、森、海、そして宗教、人そのものを比較し、
表現しています。
抽象画という枠に入れてしまうのではなく、
混ざり合っているものの一つ一つを抜き出して捉えることで
彼女の人生を通して生まれる作品を感じることができると思います。

是非実際に感じてみてください。

2009年10月12日月曜日

森国枝(もり くにえ) 個展

10月5日から17日まで、Space Whiteにて森国枝展を開催いたします。

今回のテーマは「BLUEROSE BEAM トスカーナの恋」です。


"BLUEROSE BEAM トスカーナの恋" 
ミクストメディア、60.7x72.7x3 (cm)、2009

トスカーナの空を思わせる鮮やかなブルーの画面に
不可能といわれる青いバラたちが咲き乱れています。
作家を思わせる赤いバラも共に咲き誇っています。

スカイブルーと聞くと、色としては少し派手かなと思われるかもしれませんが
直に作品をみてみると、派手ではなく華やかで、部屋のなかや空気が
明るくなる気がします。また、描かれている花やレースの繊細さが感じられると
ますます作品の魅力に引かれていきます。

森国枝さんの作家人生のテーマであり、
全作品のタイトルになっている "BLUEROSE BEAM"は
青いバラ、不可能を可能にする「希望」という意味を込めています。

もうすぐ青いバラが開発され市場にでてくるようですが、
「希望」は実現できると思わせてくれますね。

森国枝さんご自身のブログもありますので、
作品にご興味のおありの方は是非ご覧ください。