Gallery Kozukaの全館を使用して開催いたします。
2003年より当ギャラリーにて毎年開催される個展では、”彫る”という行為により
何気ない出来事だけれど自分を形作る日々の思い出、
そして近い未来、遠い未来への希望を作品へ刻んでいます。
彫刻刀で刻むときの心の動きによって、画面へ彫り込む箇所、
彫り方、力の入れ方などが変化します。
刻まれた点は鈴木淳夫の心の一部です。それらが集まっていくことにより
互いに影響し合いながら、心の情景を作り上げていきます。
パネル、布、アクリル絵の具、240x240x5 (cm)、2003年
個展風景(三原色)2009年
本展では、全作新作、そして新シリーズを発表いたしております。
”彫る”ことを基軸に、今までは”色”をテーマにしてまいりました。
そして今回は”彫る”、”色”を踏まえ、
さらに心と人の関係を追求し、表現しています。
個展風景、2010年(現在展示 - Space Gray)
画面に表れているモノと、制作している鈴木の心の動きは
まったく関係がありません。今回のシリーズにおいても、
モノを描くことは重要ではないのです。
人がモノをモノとして認識する時は、心の動きによって
曖昧であったり、誇張されていたりします。
姿形、モノの種類、色などを自分の蓄積された知識だけで
おおまかに判別しているのであって、
個々のモノ自体を正確に捉えることは
少ないのではないでしょうか。
皆様、すなわち受け手の心の動き、作り手の心の動き、
表れているモノ、色、彫る行為、
それらすべてが作用することにより
この展覧会は完成されます。
これまでの代表的な作品や略歴をご覧頂くことができます。
ご高覧いただきますよう、宜しくお願い申し上げます。