2009年8月26日水曜日

奥野穂(おくの みのる) 個展

8月24日 (月)から9月5日 (土)まで、奥野穂、井上雅夫の個展を同時開催しております!!


奥野穂氏は、三重県に生まれ、多摩美術大学の油画科を卒業しています。
大学在学中より東京にて個展を始め、
当ギャラリーでは1986年よりほぼ毎年個展を開催しております。
また、グループ展への参加も積極的に行っており、
1978, 79, 80年とシェル美術賞展に参加、
2003年にははるひ美術館にて開催される「はるひ絵画ビエンナーレ」において
優秀賞を受賞しております。

当ギャラリーでは、奥野氏といえば「林檎の作家」で通っています。
林檎が好物というわけでもなく、林檎農家出身でもありません。。。
1976年に林檎をモチーフにした作品を制作しました。
その後は他のモチーフで制作を続け、1997年にまた林檎を描き始めました。
それからは、作品画面に必ず林檎を描いています。


”BIWAKO” 帆布、木製パネル、アクリル絵の具、インクジェット、
90x129 (cm)、2002年

作品をご覧いただくとわかりますが、林檎だけを描いているのではありません。
林檎の背景は、どこかの風景や自画像が主です。
では、林檎と画面に描かれるものとの関係はどこにあるのでしょうか。
林檎は、描き手である自身と作品との間にある
現実と非現実との境界を表そうとしたものです。
互いに関係がないのではなく、そこは曖昧なのだと奥野氏は言います。


”YABU NO NAKA” 綿キャンパス、木製パネル、アクリル絵の具、インクジェット、175.3x235.5x4 (cm)、2006年

林檎は1つとは限りません。。。


みかんや柿ではダメで、自身の作品にリアリティを与えるものは
”林檎”だけだそうです。


来週は製作技法について書く予定です。

昨年の個展の様子はこちらからご覧頂くことができます。
2000年からの個展の様子も、昨年のホームページから辿ることができます。


奥野穂の個展は来週9月5日 (土)まで開催中です。
是非ご高覧ください!!

2009年8月24日月曜日

井上雅夫(いのうえ まさお) 個展

本日より9月5日(土)まで、井上雅夫、奥野穂の個展を同時開催しております!

井上雅夫氏の個展は二年振りとなります。
その間、試行錯誤し、いくつものエスキースを描いて作成してきた
集大成がここにあります。
もちろん全新作となっております。

井上氏は、愛知県一宮市に生まれ、愛知教育大学美術科を卒業しています。
東海地区を中心に、関西などでも美術館、ギャラリーにて活動をしております。
Gallery Kozukaでは、1988年よりほぼ2年に一度のペースで
個展を開催しております。

初期より、キャンバスにアクリル絵の具を使用して描いています。

作品画面をみてみると、まず手前から奥へと遠近感が感じられます。
様々な四角形の組み合わせで、床、壁、天井が表されているようです。


”終わりの季節” アクリル、色鉛筆、キャンバス、131x90 (cm)、1997年


どこかに存在していそうな空間と、
井上氏のまったく自由に空想された空間とを
混在させています。
「部屋の中から外をみた風景なのね」では割り切れない、
自分が内と外のどちらに立っているのかわからなくなる錯覚を起こします。
天井かなと思っているところが、もしかしたら空かもしれないと
いろいろなことを考えさせてくれます。



”晴れた日曜日” アクリル、色鉛筆、キャンバス、100x65 (cm)、1996年


本展覧会の作品は、
空を描きたかったとのことです。
目にも眩しいブルースカイではなく、
何気なく見ている日常のなかの心落ち着く空を描いています。

また、井上氏は灰色を好んで、自身の基本の色としています。
灰色と他の色とのバランスで作品の雰囲気を決めます。
今回は特に灰色と暖色のバランスによって、
作品をみたらなにかホッとする安らかな表情を出すことに努めました。

空をテーマに、色合いも落ち着いているので
お部屋に飾ると、そこが自分だけの癒しスポットになると思いますよ。

是非、当ギャラリーにて本物の作品をご覧ください。

初期より2007年度個展までの代表的な作品をご覧頂けます。

名古屋も秋風が吹くようになりました。
肌寒いくらいです。
今年は現代美術で芸術の秋を堪能されてはいかがでしょうか?